第12回坂口登山フェスティバルに参加して

―フェスティバル実行委員会のお仕事ぶりを讃えるー

AACK(京都学士山岳会) 中島道郎

 私はこの、今回で第12回を迎えた坂口登山フェスティバル(SMF)に、第8回:木曽駒ヶ岳集会を最初に、第9回:白馬大池、第10回:湯の丸山、第11

回:常念岳と続けて参加し、今回で5回目の参加になりました。参加を重ねるにつれて、私の心の中に、この集会の持つ、人を惹きつける何とも言え

ない魅力がぐんぐん強まってくるのを感じます。

まず、この催しは非常にユニークだということです。第一に、開催主体が「坂口登山フェスティバル実行委員会」というボランティア組織であって、県や

市町村といった地方自治体ではないことです。しかもそれが発足以来12年間も、途中途切れることなく今に続いて来ている、という事実に驚嘆します

 これは、中心人物たる坂口さんの人間的魅力もさりながら、それを支える組織を運営して来られた実行委員会の皆さんの実力と努力の賜物です。

このフェスティバルの参加者達は、西は大分・愛媛から中国・関西、東は茨城、北は宮城に至る、広い地域から集まってきており、その多くはリピー

ターなので、「やあやあ、またお会いしましたね。」といった、非常に楽しい雰囲気が醸しだされている集まりです。しかも、です。こんな全国規模の集

会を開催する組織責任者にとっては、大抵の場合、一生に一度と言っていい程の大仕事です。それは、私にも身に覚えがありますが、終わったらも

う、精も根も尽き果てて、来年もやってくれ、と言われても、いやもうこれでご勘弁を!と断るのが通例です。なのにそれを、誰かから「やれ!」と言わ

れたわけでもないのに、自分達の意志でやり続けて12年、それは偉いです。感服します。

今回のフェスティバル最後のお別れ会でも、松田実行委員会長から早くも来年の構想が話題に出されました。終わる前からもう次の会の話です。私

が参加した過去4回の集会を振り返って見ても、そのすべての回において、開催予告のチラシ作製・配布から始まって、参加者募集、集計、集会場

の確保、部屋の割り振り、山行対象の下見、リーダーの選定と依頼交渉、参加者に配布する書類の作成、終わって報告書の作成と配布(そのまた

報告書の編集がユニークで楽しい)、etc, etc,…いずれも完璧に遂行されてきています。今回も例外ではありませんでした。感嘆です。

 SMFがユニークである第二の点は、元気な高齢者の集いである、という点です。今回の参加者名簿から集計してみてそれに気付きました。名簿番

号は111番までありますが、多分登山に参加しただろうと思われる(実際に歩いたかどうかは別にして)人数は107名です。その内訳は男性62名、女

性45名。年齢は最高87歳・最低13歳、平均62,2歳でその内訳は、50歳以下11名、50歳代10名、60歳代42名、70歳代41名、80歳代3名で、圧倒的に

60〜70歳代に集中しています。これはまさしく日本の登山者人口の縮図を見ているという点でユニークだ、と言えます。

 最終日の車山の散歩、景色もよく、好天にも恵まれ、大変感激しました。

実行委員会並びにスタッフの皆さん、本当に有難うございました。来年も是非参加したいと思います。宜しくお願いいたします。

 

 

山 と 友 と

大分県山岳連盟(前会長)

首藤 宏史

 坂口登山フェスティバルで、山に登ることもさることながら、皆さんにお会いして和やかに楽く交流できることが楽しみになってきました。信州の山は

大分に住んでいる私にとって、簡単に行ける所ではありませんし、魅力があります。この会に参加を重ねるにつれ、皆さんにお会いすることも楽しみ

です。

 毎年の開催で12回も続けてこられたことに敬意を表します。米寿を迎えられ、変わらずお元気な坂口主宰、松田さん、矢沢さんはじめ実行委員の

皆さん、登山隊の大蔵隊長、班長の方々、多くの参加者にお目にかかれ大変嬉しく思いました。大変お世話様になりながら、今年も良い思い出作り

をさせていただき、誠にありがとうございました。

 蓼科山登山の朝大降りの雨で心配されましたが、登山を始めると小降りになったり止んだりで、山頂に立つことが出来ましたが、展望を楽しむこと

は出来ませんでした。四周の展望を想像しながら下山をしました。役員の皆様には大変お世話様になりました。

 霧ヶ峰の主峰・車山では、まずまずの天気で見晴らしの良い草原の山歩きを楽しむことが出来ました。鹿の食害からキスゲを守るため、電気柵を

してありましたが、柵の中は多くの花を見かけ、柵外ではほとんどなく、鹿の足跡も見ましたので、電気柵の効果有りです。昨日の蓼科山でもたくさん

の樹皮が食べられていましたし、全国的に多くの植物が鹿に食い荒らされ、問題になっていますが、対策が追いつかないことは残念でなりません。

 講演会には間に合わず、失礼しました。マッキンリーから帰ったばかりの大蔵隊長の「海外登山の現状」についてのお話しは、奥深いものがあり、

興味深くお聞きすることが出来ました。

 歓迎会、懇親会は、これまた楽しく交流することが出来、幸せなひとときを過ごさせていただきました。年とともに、お顔は憶えていてもお名前が出

てこないこともあり、失礼になったこともあったかと思いますが、悪しからず。

 また、来年も皆様にお会いし、山に登ることを楽しみにしています。実行委員会の皆様に再度感謝申し上げます。

 

 

『北八ヶ岳と霧ヶ峰』

愛媛県山岳連盟顧問

西田 六助

(1)北八ケ岳への想い

昨年11回大会の報告書と共に北八ケ岳の案内があった。妻に来年も行くよと言うと嬉しそうな返事が返ってきた。南八ケ岳には数回足を運んでいた

が、北八ケ岳は行ってなく、硫黄岳辺りからの蓼科山を眺めては行く機会を狙っていたが、その機会がなく、やっと今回実現した。

 そのため最初はAコースの蓼科山を考えていたのですが、周辺の地図と睨めっこしていましたら、B1コースの「北横岳・池巡り」が山あり池ありで、

面白そうだなと思い決めました。

  また以前、私の会に居ました若い女性(埼玉県出身)が、縞枯山荘でアルバイトをしていて、 「すごくいいところだから来てください」と言われてい

たこともあります。・・・8年ほど前の話です・・・ それ以来、何時か行ってみなくてはと楽しみにしていたところでした。今回は行くことはできませんでし

たが、またの機会をと狙っています。 

(2)歓迎会前日 7月3日(木)

 早朝、フエリーで大阪南港に到着、阪神高速などを利用し草津SAへ1時間で到着・朝食後、名神・中央道の各自動車道を走った。曇り空で時折小

雨であったが、順調に走ることができ、諏訪湖SAで休憩し、大門街道を白樺湖へ。湖畔の山幸閣に13時過ぎに到着。

明日、蓼科山に登れたらとの思いがあったが、天気はよくなさそう。宿舎のフロントでコースなど確認し、今日のうちにと蓼科山へ向けて車を走らせる

 七合目登山口には数台の車があって、14時に近いこの時間帯は下山者が多かった。

鳥居を潜って出発、馬返しと呼ばれる個所から、なかなかの急坂で、ザンゲ坂の意味がわかるようだ。15時、蓼科山荘に到着。右手に山頂が見え

たが雨も降りだし下ることにした。16時15分登山口に下山、ホテルへの途中、車道が判然としないような濃霧に巻かれたが、約束していた17時に

宿舎に入ることができた。

(3)歓迎会 7月4日(金) 

 やはり天気がよくなくお山は厚い雲に覆われていて蓼科山巡りは昨日行ったので中止にした。早朝は山頂が見えていたが中腹は厚い雲があって

見る間に山頂を覆ってしまった。

朝食後少しゆっくりして白樺湖を一周(3.8km水面の標高1416m)。遊歩道が整備されていて歩きやすい。しかし閉鎖されたホテルなどが多く目に

付き、歩いている者は他にいなかった。釣りをしている方が1名のみ、この釣りも有料との看板が目に付いた。約1時間10分でホテルに帰着。この

白樺湖は人造湖で東側に200mほどの堰堤がありその下方にも小さな池がある。ホテルのフロントに「明日もお世話になります」と挨拶をして、今夜

の会場である横谷温泉に向かう。国道299号(麦草峠に向かう)に出て到着。

食事の後、横谷渓谷の滝巡りに行く。あいにくの天気、標高1400mもあって、ガスがかかり視界が良くない。王滝展望台も目をこらしてやっと水流

が判別される程度であった。天気が良ければ水量も多く見応えがあったのにと思われた。引き返す途中2名の参加者に出合った。

2時すぎに歓迎会場に、すでに多くの方が見えていた。私の部屋は坂口主宰・中島さんと4人の予定がもう一人は欠席のようであった。

3時からは「八ケ岳が面白い」「霧ケ峰の自然」などの講話があり、霧ケ峰ではこれからニッコウキスゲの花が咲くが、大勢のカメラマンで写列ができ

オーバーユースの問題が大きな課題となっていると。・・難聴で聞くことは困難を極めるが、文字は見ることができるのでスライドに書かれているとよく

わかり助かった・・

(4)北横岳・池巡り 7月5日(土) 

  朝から大雨、各指定のバスにて出発。北八ケ岳ロープウエイ乗り場へ。雨の中、我々だけのようであった。高低差480mを7分で運んでくれる。

山頂駅は2378mあり、ここから溶岩坪庭を歩き、谷間に下り、再度登りになる。途中の窪みにわずかであるが残雪があった。6月半ばであったが「

週刊ヤマケイ」で雪解けが遅いとのことであった。

  北横岳ヒュッテに休憩、七つ池へ、実際は12個あるが行けるのは2個所のみであり、ヒュッテ前から下るとすぐであった。

  北横岳南峰(2472m)へは一登り、ここから北峰(2480m)は数分の間であった。ここで休憩、大学生の一行が大きなザックを背負い双子池方面か

ら登ってきた。

 亀甲(きっこう)池に向かい標高差400mを下る。モミの樹林の中で道は良くない。池は岩がゴツゴツでていて浅い感じを受けた。

 腹も空いてきて、何か食べようかと思ったら出発の合図があった。雨は小降りであり、そんなに濡れることもなかった。100mほど登り、下っていく

と大きな池があり、双子池の雌池であり、テント場があって一張りのテントが張られていた。

  池の周りを周り、ヒュッテの前に出た。そこで、松田会長さんが出迎えており、これから昼食の準備とのことでスタッフが大急ぎで準備をしてくれた

その間に我々は弁当を。その近くに雄池があり、看板に「飲料水・・炊事など禁止」「ザックも持ち込まないで・・」とあった。おいしい豚汁を御馳走にな

り英気を養う。ここから大河原峠までは1時間程度とのこと。山道ではなく林道を行く。休憩の後、ホテルの車で下山。午後4時前に到着。

  5時から国際登山家の大蔵さんの話があった。子供が来ていて、その車で横谷温泉へ回り、車を取って宿舎に帰る。そのため大蔵さんの話は聞

くことができなかった。実は難聴で聞いても声はすれども意味が聞き取れないのである。本当に悲しい・・・!

  会食の後、ミージュシャン

  歌声ミュージックと楽しいひと時を過ごさせていただきました。

(5)霧ヶ峰・車山 お別れ会 7月6日(日) 

  ホテルのバスでビーナスラインを車山の肩まで、そこからは快適な高原歩きである。頂上(1925m)には大きな気象レーダーが設置されていた。時

折、晴れ間が出て、周辺の山も顔を出していた。誰かの声で「御岳山だ・・」という声が聞こえた。

  下りはリフトに沿って道がある。車山湿原にはレンゲツツジであろう赤い花が確認できた。下っているとニッコウキスゲがまばらに咲いており、先

般の「霧ヶ峰自然保護センター」の方の話に、大勢のカメラマンの写列ができるのですよ、オーバーユースの大きな課題が残されているとの話、何処

共に珍しいものがあるとすぐに飛びつく、皆が行くからと・・・?

 日曜日でもあり、歩いている方が多い。それも街中の公園を歩いているような服装である。車山の肩からビーナスラインに下山。丁度、宿舎の上に

そこから車道を歩く。時間にして約2時間程度。入浴・お別れ会をして午後2には解散した。

 帰りは霧ケ峰を通り、八島湿原を通る予定であった。その途中、妻が大きな忘れ物をしていることに気づき、ホテルへ引き返すも、すでにスタッフ

の方も引き揚げた後であった。フロントで事務局(矢沢さん)の電話番号を聞き、妻に電話をさせた。忘れ物のかばんが見つかり安心、これから持参

しますとのこと・・後で気づいたが取りに行きますと言えば良いのにと・・松田会長が届けていただき感謝に堪えない。

  再び霧ケ峰を走り、丁度分岐の所で大きな霧ケ峰の土産物店があり立ち寄る。資料の地図をよく見ればよいものを右折しなければならないのを

真直ぐに行き、八島湿原には行くことができなかった。

あとがき

  今回で5回目の参加であるが、そのたびに何か新しい体験ができ、本当にありがたく思える。

  宮城県岳連の方々とも話しすることができたのも大きな収穫であった。というのも昭和46年文部省登山研修所に夏季研修で入所していた折に

槇有恒氏(仙台市出身)が来所されており、研修生何名かで遠慮しがちで色紙をお願いした。いとも気易く「いいですよ、お名前は・・・」・・・目の前で

さらさらと書いてもらったのであった。

また平成4年当時、日山協最高顧問であった伊達家第19代当主の伊達篤郎氏には、日山協自然保護委員会が水上であり、その時に初めてお会

いした。私が宇和島だと言ったら、伊達家との繋がりもあってか、なかなか話が弾み、さらに平成12年に全国遭難対策協議会が仙台市で行われ、

氏に会うことを目的に参加した。どういうわけか、その他にもいろいろと関わりがあって、また宇和島市の近くの出身ですという言葉もいただき、来年

の全日本登山大会にはぜひ参加しますとの約束してしまった。

ある方に、こうして参加できるのも一つの道楽で、このような道楽が無くなれば、又できなくなれば人生は面白くなく終わりですね、年を重ねれば身体

の不都合な所が出てくるのは皆同じであって、あまり気にしない方が良いのかもしれませんと柄にもないようなことを言ったようだ。

実は私は8年ほど前から坐骨神経痛があり、右足先で立つことができなくなり、スポーツクライミングはできない状態ですが愛媛国体も近く、お世話

はしています。

最大の難物は難聴で聞こえはすれども何を言われているかわからないことが多く、こればかしは本当に悲しい思いですがどうしようもありません。で

きることなら坂口主宰にあやかって、ずっと続けて参加できればとの思いがあります。

※ 私ごとで恐縮ですが、紹介させていただきます。

来春3月になるかと思いますが東京の文芸社から拙書が出版されます。その準備中です。

題名は『オールドハイカー「山旅の記」セレクト10』 国内のみ10個所 280ページ程度

 

 

登山という3Kに、光を当てる試み?

三重県山岳連盟顧問

田 中 均

 12回を迎える坂口フェスタ、蓼科というモダンな響きを感じさせる地名に魅せられるように参加した我々老人たちは、ピエロメークの可愛い“おっと

ちゃん”の出迎えを受け、くすぐったいようなほのかな甘いときめきに包まれている自分に気付かされた。 戸惑いの中で、つい聞いてしまった「ホテ

ルの企画?」、すると「フェステバルですよ」との答え、大会実行委員会のプロデュースという、綾小路きみまろ、老人手帳のセリフではないが「・・そう

ゆうことだったんですか」これは失礼しました。

 八ヶ岳へ来ても、横谷渓谷など知らない鈍なわれわれに、変化のある滝の面白さを教えてくれ、渓谷を眼下に見る露天風呂が一層いい印象を持

たせてくれた。料理の質も料理界の重鎮の肩書を持つ(ここを強調)大川氏の推奨付きだから、早速旧職場OB会の予約を取り付けた。坂口フェスタ

参加者という看板をひけらかし割引を受けるスケベ根性見えみえで交渉成立。

 登山本番はお湿りたっぷりのお天気で、ピラタスロープウエー〜坪庭〜北横岳往復のB2コース、ロングスパッツ、上下雨具の完全装備、火山帯独

特の岩ごろ道に梯子あり、やっと着いた北横岳ヒユッテ、B1コース池巡りの人達は、七つ池往復して帰ったところで休みもしないで登って行った。B2

組はそんな余裕はない、帰りに寄るとの提案には大賛成。小屋から頂上へは一層急な道が待っていた。やっと着いた頂上は雲の中、まわりの景色

は高尚な白一色、ものの哀れを思うのみ。下山した坪庭は、霧もはれ、よれよれの登山者に奇異の目を向ける観光客に、じろじろ楽しまれてしまっ

た。

 二泊目の泊りは白樺湖レークサイド、ディナーのアトラクションは“歌のアイドルショー”これが可愛い顔してよくしゃべった。年齢層を考え、自分たち

の持ち歌よりサービスになると考えたのかもしれない。とにかく受けた、アンコールが出るほどに・・。

 3日目の車山登山では、天もお湿りサービスだけでは気の毒と思ったのか、登るにつれて霧が晴れ、下りの斜面は草原の緑を際立たせ、白樺湖

の青さが目にまぶしい。このどんでん返しの面白さこそ、梅雨時登山の醍醐味かもしれない。

 3日間の登山大会を振り返ってみると、県内屈指のプロガイドを揃え、百人を超す参加者という企画はそんなに出来るものではない、参加者全員

の友愛心が無ければ実現出来るものではない。企画にあたっての戦略思想もまた重要であると思われる。松田委員長の登山3K説への挑戦と見た

のは、下司の勘繰りかな。

 

 

第12回坂口登山フェスティバル

三重県山岳連盟

大川 吉崇

 7月4日、大会の前夜祭が八ヶ岳連峰の一角にある横谷温泉旅館で開かれ、全国から118名が集った。観光都市だけあって、茅野市市長も最後ま

で同席され、我が三重県参加者3人と記念写真とのサービス振りである。翌日は幾班にも別れて蓼科山や北横岳と散策登山、その翌日は午前中に

車山を歩いた。花の群生で知られる山だがレンゲツツジは終わり、ニッコウキスゲには早すぎ、自然だけにあえないのは致し方ない。

 三重県からの同行者は、私より一回り上の田中均さんと、3歳上の元高体連登山部長の西田勝さんである。山も素晴らしいが、長野県山岳連盟の

方々の心のこもった企画力の魅力は何時もながら凄い。初日には3講座の座学(八ヶ岳の著者 星野吉晴氏、霧ヶ峰自然保護センターの小松研一

氏、マッキンレーから昨日帰ったばかりの国際登山家でこの大会の隊長の大蔵喜福氏)も組まれている。前夜祭では、東京からミユージックエムズ

の若い2人の歌手、歌声喫茶雰囲気を毎年楽しく提供してくれる神谷ありこさんたちの催しと満載。坂口三郎大会主宰を中心に、松田美宏大会実行

委員長そして矢沢裕子事務局長とそのスタッフの素晴らしい連携のおかげである。帰りの車中、我々、思いを伝えるのが苦手だが、次回に参加させ

てもらう時は余興持参でとの話しに成る。

 

たてしなの雨

栃木県山岳連盟

 北見 正光

 坂口登山フェスティバルも第12回を数える。今年は前夜祭を横谷渓谷で二日目を白樺湖へと移動するのでスタッフの方々はたいへんだったろうと

おもった次第です。                         

 松田委員長からの挨拶のなかで、山の花を愛でるとき、どうしても雨の時期と重なるのは致し方のないこととお話にあったように、今年も雨と重なっ

たようである。 雨の大会になってしまったが、雨の日も悪いことばかりではない。どなたかも言われておりましたが緑が一段と美しくその緑の中に白

樺の幹が映えている。雨の蓼科の美しさをたたえる素敵な文章がある。                          

 「蓼科の雨と言えば、有名なものです…。長雨だと退屈しますよ、その代わり雨の上がったときの良さといったら、とうてい口では言えませんね、ま

るで突然眼がさめたようなものです、何しろ高原の景色はすっかり洗われたようになるし、日の当たった草木はそよそよそよぐし…と。」尾崎喜八著 

山の絵本 たてしなの歌より

 前夜祭も楽しくすぎて翌日 私たちは「坪庭」から北横岳を目指すことに。心配していた雨もたいしたことなく北横岳の登りにかかる。道の両側には

コイワカガミ、ミツバオ−レンなどが美しく咲いている。これらも雨の中で一層美しく見える。途中下りてくる中島先生のグル−プに出会う、先生もお元

気そうだ

 翌日は雨も上がり全員で車山からホテルまでのス−パ−トレイルを歩く。ノアザミ ウツボグサ ヨツバヒヨドリなど同行の糸井さんが花を見つけて

はおしえてくれる。

 今年も楽しい思い出の大会だった。とりわけ私としては中島先生、坂口主宰とともに短い時間ではあったがお話をする機会にめぐまれ嬉しい限りで

あった。 事務局、スタッフの皆さんに感謝しつつ是非来年も、と願う次第です。

 

坂口登山フェスティバルに参加して

茨城県山岳連盟副会長

小森 英治

 長野県には「日本百名山」に選ばれた山が数多くあり、開催地をどこにするか迷ったことでしょう。私たち茨城の4人組は、北八ヶの池めぐりに決め

花と池の様子をゆっくり眺めたいと、期待をふくらませて参加しました。

 7月4日。早い時間に到着したので、白樺湖周辺を散策してから、横谷温泉の宿へ入った。早速受付をして資料などを受け取る。まず係員スタッフ

の仕事ぶりには脱帽した。100人以上の参加者をてきぱきと指示し、細かい所まで気を配っていました。例えば、めいめいが受け取った名札の裏に

は、部屋割り・班割りなどが記入されており、それを見れば迷うことなく行動できるように配慮・工夫されていることなど等、到りつくされているのには

に感心しました。

 私は昨年、全日茨城大会が開催された時のことを思い出していました。一昨年の福井県大会に参加して、色々参考にさせてもらい、一年をかけて

準備を進めてきた。これで万全かと思われたが、いざ、ふたを開けてみると準備の甘さがあり、他県の方々からお叱りを受ける場面も数多くありまし

た。それに引きかえ、今回のSMF坂口登山フェスティバルは、毎年の行事とはいえ、実行委員のスタッフの技量はすごいなあと感心するばかりです

 さて次の6月5日は、いよいよ山へ出発。天気は予報通りの雨。しかし風はなく小雨程度で、まずまずの登山日和。全員が合羽を着用してバスに

乗り込む。次は初めて乗るロープウェーであったが、乗務員が赤いスイス風の制服で、乗客の接待をしているのにはびっくりした。私は数年前スイス

の登山に行った時偶然に夕方スイスの建国記念日に当たり街の一角で、イベントが行われこの時スタッフは赤いチロリアンハットで赤いスイス国旗

マークの入った服装のいでたちを思いだしました。その衣装をロープウェーに取り入れたという斬新なアイデイアが実にいいと思った。この付近の建

物もヨーロッパ調に造られており、茅野市が観光に力を入れていることがわかった。ますます観光客が増えることを期待しています。

下車後は、霧の中を北横岳の山頂をめざす。登山道にはイワカガミなどが咲き乱れ目を楽しませてくれた。のんびりと歩き、山頂で一息入れ、亀甲

池から双子池へ。この辺りから倒木があり、霧がかかった幻想的な光景に北八ツらしいとひとしきり感動する。岩も倒木も緑のじゅうたんのような苔

に覆われ、私はストックでこの苔をいためてはいけないと、ザックにしまうことにした。苔の間に高山植物が一本、二本と咲いている可憐さ。散在する

池の水はコバルト、緑、水色を混ぜ合わせた色で、白樺やシラビソの大木が水面に移る様はメルヘンチックで心に沁みる美しさだ。双子池の山小屋

で大休止。ここでは豚汁やアイスクリームをごちそうになり、山中でアイスクリームを食べたのは初めてのことで、あまりのおいしさに感激しました。ご

馳走様でした。

 この山小屋に宿をとり早朝を迎える事が出来たら、霧の中に静かな碧の池を眺めることができ、すばらしいだろうなと想像した。ここから車道を通

り、バスで下って、二日目の宿へ到着。この夜も宴会を催していただき、満ち足りた気分で就寝。

 次の7月6日は、車山登山。天気は回復し、全員で頂上をめざす。草原にはつつじがピンク色に咲き競い、見晴らしが良くきれいでした。のんびりと

下り、宿には予定より早めに帰着。入浴後、お別れ会の会場へ。ここでも盛りだくさんのご馳走をいただきながら、それぞれ感想を語りあった。坂口

フェスティバルのリピーターが多いことと、参加者が増えつつあるとのことに感銘しつつ終了。別れを惜しみながら帰路についた。

 これまでの私の八ヶ岳山行は、南八ヶ岳が主で、冬や春のバリエーションルートや氷壁アイスクライミングでした。今回の雨の北八ツに感動を受け

今後の山行は年齢に見合ったコースで、のんびりと山の美しさを楽しむ山旅にしたいと思いました。

最後にこの三日間、本当に至れり尽くせりの準備・接待・山行引率をしていただき有難うございました。SMF坂口フェスティバルの実行委員スタッフ

のみなさまに心より感謝を申し上げ筆を下ろします。                          

 

〈初参加を振り返って〉

岐阜県山岳連盟

川重OB山岳会 片岡 隆

 坂口登山フェスティバルがどのような会なのか何の知識もなかったが親友の山崎氏より、毎年全国から120名以上の登山者が集まる楽しい会が

あるので参加しないかと誘われ参加させていただきました。(毎年全国から多数の登山者が集まる楽しい会とはどんな会なのか、非常に興味があっ

た) この会に参加してわかった事は幹事の松田さん、事務局の矢沢さん初めスタッフの皆さんの「お・も・て・な・し」の精神が登山者を引きつけ、こ

の会が維持されてきたのだと感じました。

この会の参加者はほとんどがリピーターであると同時に仲間同志が再会を喜び合う場になっている。そして私のような初参加の者もすぐ仲間に受け

入れられ、次回も参加したくなるような素晴らしい雰囲気を持った会でありました。

人は現状に満足することなく、新しい目標にチャレンジしている限りいつまでも若く、年老いないと言われております。この会は各登山者に山という目

標を提供し、チャレンジさせ実現できるようサポートしている。登山後はホテルにて親交を深め喜びを享受しながら次回への開催に夢を膨らませる。

このようなすばらしい会が日本にあったことを知り、今回の参加は大変有意義であり感謝する次第です。次回は友人を誘って参加したいと考えてお

りますので、その節はよろしくお願いいたします。

〈追記〉3日間の感想を簡単に記す。

第一日目 横谷渓谷

 健康に役立つといわれるマイナスイオンを胸一杯に吸い込みながら遊歩道を乙池から王滝、横谷観音展望台まで歩く。自然を満喫しながら心身

のリフレッシュは非常に楽しかった。ただ15年前子供達と散策した時は晴天に恵まれ渓谷の中で一番壮観である王滝が雨で見ることが出来なかっ

たのが残念でした。

第二日目 北横岳 池めぐり

 北八ヶ岳は昔、雪の中を苦労して登ったことや、雪の中の美しい池を連想しながらの楽しい登山でした。神秘的な原生林が生い茂り、コケが幻想

的な風景を作り出していたことに感激しながらの下山、途中山道の片側が美しいコケなのに、反対側がササの群生、どうしてこのような状態になった

のか不思議に感じた。北横岳、池めぐりのハイライトは双子池でのアイスクリームと豚汁の美味しかったこと、一生の思い出になるだろう。

第三日目 車山

 車山は数年前まで会社の保養所があり、たびたび遊びに来た山で懐かしかった。この時期はニッコウキスゲを初め、いろいろな草花が咲き、遠方

には3大アルプスが一望でき登山者を楽しませてくれるのだが今回は昔の面影がなく寂しかった。山頂での風景も雲のため何も見ることができず残

念でした。

最後に一言

 この会が何故梅雨時期に開催されるのか疑問に感じた。梅雨明け以降に開催されたら天候にも恵まれるのではないでしょうか。

 

 

坂口登山フェスティバル実行委員会の皆様方へ

大分県山岳連盟 鋸山の会

安部 栄子

 この度、第12回坂口登山フェスティバルに初参加をさせていただきまして、ありがとうございました。

100名を越える参加者のお一人、おひとりに笑顔でお出迎えしていただき、又、優しい言葉がけをして下さり、私のちょっと重かった心も一瞬ににして

和みました。

歓迎会では、日本人のおもてなしの和の心を沢山に頂きました。山を愛する人達の情熱とエネルギッシュ、年齢にはにはまったく関係ないことを痛

感させられました。

夢叶い、憧れの雪渓の残る、長野の山に出会えました。蓼科山では、岩また岩の山登りとなり、山頂も予想外の岩、石ころだらけの広大な景色に

びっくりしました、しかし、霧が、サーと晴れ、長野での初めての山、蓼科山の道標にタッチ出来た感動は、一生、私の山での宝物となりました。下山

ルートは、また別の山かのような樹林帯の中をあきる程に歩きましたが、緑の苔むしたみずみずしい大地と、大シダに心癒され、長野の七夕、月の

風を膚に感じながら、お陰様で無事、下山することが出来ました。今日、一番の笑顔で記念写真に治まりました。

 翌朝、4時過ぎに部屋の窓より、きのう登った蓼科山のシルエットが、朝焼けに美しく雄大に浮かぶ姿を見せてくれ、大自然に感謝し、思わず、合

掌しました。我家から見える大分の高崎山の姿に、どことなく似ており、裾野が山と海の違いこそあれ、とっても親近感を持ち、改めて蓼科山に登れ

た事に感謝し、この素晴らしい、坂口登山フェスティバルに、私を誘って下さった山の友、杉田さんにも、感謝で、いっぱいです。

 いつの日か、又、お会いでき、心、ひとつとなり、山談義をしながら、長野の山に登れる事を楽しみにしております。

長野への距離が、少しだけ縮まった感じで、想い出を沢山ザックに詰めて帰りました。

 本当に、3日間も、大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。

坂口登山フェスティバルの増々のご発展と、関係者、スタッフの皆様方のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

略儀ながら、失礼とさせて頂きます

 

今年で12回この大会の運営にご尽力されましておめでとうございます、心よりお喜び申し上げます。毎年、参加される方々の理由が、この大会を

終えて、よくわかりました。

 全てのスタッフの笑顔と、さりげない、奥深いおもてなしの心が私達を包み込んで下っての事だと……素晴らしい時をありがとうございました。大分

の山にも是非登りに来てください、心よりお待ちしております。

 

 

第12回 坂口登山フェスティバルに参加して

山口県山岳連盟 副理事長

ハイキングクラブ山歩 武永 計介

 今年もフェスティバルに参加させて頂き、ありがとうございました。

私達、山口県からのメンバーは、第6回の北八ヶ岳 天狗岳以来、7回目の参加と成りました。初めて参加した際、早朝の黒百合ヒュッテ周辺を、米

川正利さんに案内して頂いたことを、今でも思い出します。

それから毎年、当たり前のように多くの岳友と参加させて頂き、歓迎式典では光栄にも、多くの参加者と同行したことで「金蘭賞」を頂きました。「金

蘭賞」について少し触れてみると、「金蘭の友に、ちなみ送られた」そうです。金をも断ち切るほどの固い、蘭の香りにもまさるほど美しい友情から名

付けられた賞で、大変嬉しく思います。

前回の大会より、参加者としてだけでなく、大会スタッフの仕事も手伝わせて頂いています。トランシーバー片手に、班の最後尾を歩き、班長の土谷

さんや星野さんを始め多くの方から、親しく声を掛けて頂きました。

近年は、参加者同士も顔なじみで、特に近県の大分県・広島県とは、少しジョークも交えながら、楽しく交流しています。来年の抱負にも有りましたが

若手を含め多くの参加者を、何県が連れて来るか楽しみです。

来年は南アルプスとのことですが、1年間元気に暮らし、またご多くの岳友と参加したいと思います。 実行委員会の皆さんのお蔭で、楽しい3日間

でした。今年は運営も更に向上し、企画も盛りだくさんでした。運営される事は大変だと思います。でも、みんなが待っています。

 最後に坂口主宰を始め、坂口登山フェスティバル実行委員会の皆様に心からお礼申し上げます。

 

第12回 坂口フェスティバルに参加して

茨城県山岳連盟(東御市出身)

蓼科山 1班長 白石 忠男

 今年もまた、坂口フェティバルがやってきました。何事もあっても行かねばと思っています。一週間位前から、天気が気になります。また、今年も雨

かなー、少しでも晴れてくれればと、そうだ高山植物、池巡りをするとなると北八ヶ岳、蓼科山は雨のほうがいいのかなんて!

 常磐自動車道〜北関東自動車道〜東北自動車道〜北関東自動車道〜関越自動車道〜上信越自動車道とJctを乗り継ぎ、佐久穂町から初めて

通るメルヘン街道を通り、やっと横谷温泉旅館にたどりつきました。およそ、300kmの行程でした。蓼科山の近くは何回も来ていましたが、横谷峡は

今度が初めてで、途中迷ったかなと思いました。カーナビにも出ていない道路がたくさんあり、横谷温泉旅館に入ると、なじみの方々が待ってくれて

いて良かったとおもいました。

 また、今年も沢山の方々が遠路はるばる参加されて、ますます発展のよし、素晴らしいことです。茨城県から今年も4名参加されましたがもっと参

加してくれるように来年は県岳連に宣伝しようと考えています。坂口さんや北ア山岳ガイドの方々も元気で、坂口さんの年令まで山に登れるかなと思

いました。

 天気は相変わらず、音をたてて、雨がザーザー降っています。こんなには明日ならないことを願いつつ、高原の夜をすごしましたが、さすが高原で

すね。寒い位でした。朝起きると相変わらず、雨が大分降っていますが決行とのこと。スケジュールにもとづいて、蓼科山登山第1班として豚汁を参

加者に食べてもらうことでしたが、悪天候のためコーヒーサービスになってしまいました。豚汁の材料を運ぶために大きいザックをもってきたので

すが残念でした。バスに乗り七合目登山口に向かいました。雨は大分小降りになりました。登山口で準備体操をし、体調を整え、各班ごとに出発しま

した。第1班は小屋でコーヒーサービスをするために早めに小屋に着いて皆様の到着を待ってコーヒーサービスをしました。まだ、雨が降っており冷

えた体に温かいコーヒーは最高です。皆で蓼科山山頂へ行きました。途中でつまずいて軽傷をした方がいましたが、北ア山岳ガイドの手厚い手当で

すみました。私も含め、足が上がったつもりが上がらなくこけることがたまにあるので、一歩一歩注意する必要をかんじました。頂上はガスでなにも

見えず、私の故郷は全然みえませんでした。小屋へ降りて、小休憩をしてから大河原峠へ向かいました。天気がよければ、周りの山が展望できたの

に残念でした。このころは、天気も回復し青空が見えてきました。大河原峠で白樺湖へ行くバスにのり、ホテルにつきました。夜の宴会で、今日の池

巡りコースに行かれた方から、雨の時の池は幻想的だったとの報告を聴き、今日は良かったなあとおもいました。

 今日は車山でした。大草原の登山道を歩いていると、高山植物が多く咲き乱れていました。前々回のSMFで登った湯の丸山で咲いていたレンゲ

ツツジ、ニッコウキスゲが咲いていました。レンゲツツジは湯の丸山では大きい木でしたが、車山では風が強いせいか小ぶりでした。その他にも沢山

咲いていたのですが名前が出てきません。来年までには、もっともっと多く花の名前を覚えて、皆様に教えてあげたいと思います。

前々回のSMFで登った湯の丸山、烏帽子岳と浅間山、北ア、南八ヶ岳は雲のなかでした。ホテルに戻り、また来年の再会をきしてお別れ会が催さ

れました。今回のSMFで通じあった気持を忘れずにまた、来年会いましょう!